島村宜伸 しまむらよしのぶ
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島村宜伸の政治信条
国家国民の将来を考え、明日を支える子供たちに確かな日本をのこすため、時流におもねず正直に主張し、行動をしてまいります。
真の改革には、国民の理解が必要
 
  わが国は、国土小国・資源小国にもかかわらず、優秀な国民性と国民一丸となった懸命な努力により今や世界をリードする立場にあります。しかし、現状は、戦後60年間の急速な発展の過程で生じた社会の歪みが一気に露呈し、国難とも言える危機的状況に直面しています。「景気対策」「財政再建」「年金改革」をはじめ「教育改革」「少子高齢化問題」等々、まさに難問が山積しており、これらひとつひとつの問題を政治家と国民が共に考え、協力し合って克服しなければ21世紀の明るい展望は開けません。
島村宜伸の主張
 
少子高齢化問題
「合計特殊出生率」
食糧自給率
「てんぷら蕎麦」
国土小国・資源少国
「エネルギー・資源自給率」
 
島村宜伸の提言
 
公開討論会での発言(ビデオ)
 
島村宜伸の主張・財政再建 「増え続ける長期債務」
 
  国の予算も、一般家庭の家計と変わりありません。わが国が抱える借金総額は787兆円にまで膨らみ、これを国民一人当りに換算すると656万円もの負担となります。健全財政は「入るを計って出るを制する」のが基本ですが、現状は「入るを計れず出るを制せず」です。これは毎年度組まれる国の予算に問題があると言わざるを得ません。

  平成20年度は、税収・税外収入の合計57.8兆円に対して、組まれた予算が83.1兆円と大幅に不足しています。不足分は「国債」と言う借金で補わなくてはならず、当然借金には利息もつきます。つまり、57万円の月給取りが月に83万円の浪費をし、足りない分は借金をして補いながら利息も支払わなければならないと言う悪循環生活を毎年続けていることと同じです。本年度予算の国債発行額は25兆3千億円でした。平成年間だけでも実に474兆円もの「国債」を発行し続けています。                          

  予想を上回る少子高齢化の進展、グローバル化、情報化、経済社会の構造変化等に対応し、日本の信用を維持し活性化を図るため、また国民の将来不安を払拭するためにも、思い切った財政構造改革や新たな税制の確立を急ぎ、確実に実施していかなければなりません。そのためにも、痛みの伴う改革であっても、将来を見据えて国民に広く理解を求めるために、政府はより一層の説明責任を果たす努力が必要です。
  一般会計実績及び国債依存度
年度
2
3
4
5
6
7
8
9
10
一般会計歳出額
65.9
69.3
70.5
70.5
75.1
73.6
75.9
78.8
78.5
84.4
租税印紙税収入
54.9
60.1
59.8
54.4
54.1
51.0
51.9
52.1
53.9
49.4
税外収入
2.6
2.9
4.0
3.5
5.9
6.2
4.7
3.4
3.2
4.7
収入合計額
57.5
63.0
63.8
57.9
60.0
57.2
56.6
55.5
57.1
54.1
国債発行額
6.6
7.3
6.7
9.5
16.2
16.5
21.2
21.7
18.5
34.0
国債依存度(%)
10
10.5
9.5
13.5
21.6
22.4
28.1
27.5
23.5
40.3
年度
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
一般会計歳出額
89.0
89.3
84.8
83.7
82.4
84.9
85.5
81.4
83.8
83.1
租税印紙税収入
47.2
50.7
47.9
43.8
43.3
45.6
49.1
49.1
52.6
53.6
税外収入
4.2
4.3
4.9
6.4
3.4
4.6
4.7
4.4
5.0
4.2
収入合計額
51.4
55.0
52.8
50.2
46.7
50.2
53.8
53.5
57.6
57.8
国債発行額
37.5
33.0
30.0
35.0
35.3
35.5
31.3
27.5
25.4
25.3
国債依存度(%)
42.1
36.9
35.4
41.8
42.9
41.8
36.6
33.7
30.3
30.5
※単位=兆円 平成18年度までは決算、19年度は補正後予算、20年度は当初予算
   
  一般会計公債発行額及び国と地方の長期債務残高
年度
2
3
4
5
6
7
8
9
10
一般会計
公債発行額
6.6
7.3
6.7
9.5
16.2
16.5
21.2
21.7
18.5
34.0





191.4
200.3
208.8
223.8
245.7
268.7
297.0
324.5
357.5
407.8
地方
65.6
67.0
69.9
78.9
91.3
106.3
124.8
139.1
149.9
162.8
重複分(-)
3.0
1.5
0.7
2.2
3.8
7.4
11.7
14.4
15.2
17.8
国+地方累計
254.0
265.8
278.1
300.5
333.1
367.6
410.1
449.3
492.2
552.8
年度
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
一般会計
公債発行額
37.5
33.0
30.0
35.0
35.3
35.5
31.3
27.5
25.4
25.3





448.8
490.7
513.9
535.7
525.2
563.9
590.5
594.5
607.0
615.0
地方
173.8
181.4
187.7
193.1
198.3
201.5
201.3
201.0
199.0
197.0
重複分(-)
22.2
26.3
28.5
30.7
31.8
32.8
33.6
33.6
34.0
34.0
国+地方累計
600.3
645.9
673.1
698.1
691.6
732.6
758.2
761.9
772.0
778.0
※単位=兆円 平成18年度までは実績値、19年度は補正後予算、20年度は当初予算
島村宜伸の主張・教育改革 「誤った教育改革に待った!!」
 
 わが国の戦後教育は、人間が人間らしく生きるための「徳育」、如何なる困難にも屈しない逞しい心身を培う「体育」を疎かにし、ともすれば受験のための「知育」に偏りました。

  これは、戦後の占領政策に基づいて制定された(旧)「教育基本法」には国や郷土を愛するという国家と個人の密接なつながり、伝統と文化の尊重、学校、家庭、社会の3者の適切な役割、相互連携などの重要な点が欠落していることに原因があります。

  家庭崩壊、学校崩壊、少年犯罪の多発・凶悪化等々、私たちの常識では考え難い事件の多発は決して偶然の結果ではなく、元を正せば家庭の躾(しつけ)の欠落、あるいは日教組に歪められた学校教育がもたらした結果と言えます。「家庭教育」「社会教育」学校における「道徳教育」が大きく後退したことにより、日本は残念ながら「躾最低国」に陥りつつあります。更に国連の調査では理数科目における日本の生徒の学力が低下し、シンガポール、韓国、台湾、香港等にも追いつき追い越されつつあることは、誠に憂慮すべきことです。     

国土小国・資源少国のわが国が将来共に発展するためには、世界の国々との競争に勝ち抜くことの出来る確かな教育を取り戻し、優秀で勤勉な人材を育成することが何よりも大切です。「ゆとり教育」の名のもとに主要科目の学習量を3割減少させるということは、欧米先進国やアジア諸国の教育への取り組み方と全く逆行するもので、日本の今後を危うくしかねません。

  今こそ「改正教育基本法」に基づき、社会の形成に主体的にかかわり、国家社会の一員としての使命感や役割を自覚、実践できる国民を育成することが急務です。
 
本人の自由でよいと答えた割合(%)
日本
米国
中国
友達をいじめる
1.9
4.9
3.1
無断外泊する
18.3
15.1
3.7
売春
3.4
-
1.0
タバコを吸う
9.4
7.2
5.0
お酒を飲む
20.5
15.2
11.2
麻薬を使用する
1.6
6.4
0.8
学校をさぼる
15.5
10.7
4.9
万引きをする
1.7
3.7
0.4
※調査時期:2005年3月
島村宜伸の主張・少子高齢化問題 「合計特殊出生率」
 
 国土小国・資源少国のわが国が、将来ともにこの活力を維持し発展するためには、次代を担う人材の育成が不可欠です。しかし、現状は少子高齢化が予測以上に進み、100歳以上の人口は、昭和40年にはわずか198人でした。ところが平成19年にはなんと3万2,295人、平均寿命も昭和22年当時は男性50.06歳、女性53.96歳だったのが、平成19年現在では男性78・79歳、女性85.75歳となりました。同時に、生まれてくる子供の数が年々減少し続け、一人の女性が生涯を通じて生む子供の平均数である「合計特殊出生率」が大正14年は5.11人、昭和5年は4.71人、昭和25年は3.65人だったものが、平成19年には1.33人となりました。84年後にはわが国の人口は5,000万人になる計算です。当然このまま行けば人口構成比に異変をきたし、年金や医療費の大幅な負担増となることは間違いありません。

政府も具体的な少子高齢化対策として、平成6年のエンゼルプランに続き、平成11年には新エンゼルプランを策定、平成12年には「少子化対策推進基本方針」を策定。平成14年には「次世代育成支援対策推進法」で企業に対し、育児休業の取得率を10%に、子どもの看護のための休暇制度を創設するなどの目標を盛り込んだ行動計画を、平成16年には「子ども・子育て応援プラン」を、平成18年には「新しい少子化対策について」を策定しました。

  わが国の将来の発展のためにも、女性が働きながら出産や育児が可能な環境、また各家庭での負担を軽減するために保育施設等の拡充、父親も含めた働き方を見直すなどなど、安心して子育てが出来る社会制度の早急な整備が必要です。
  少子化に伴う将来人口試算(H19.7.27 人口問題研究所)
2006年を基準年とすると
0〜14歳
15〜64歳
64歳〜
1億人割れ
36年後 2042年
10.5%
55.2%
34.3%
5千万人割れ
84年後 2090年
10.0%
54.0%
36.1%
1千万人割れ
192年後 2198年
10.0%
53.8%
36.1%
100万人割れ
346年後 2352年
10.0%
53.9%
36.1%
1万人割れ
654年後 2660年
1人になる
1243年後 3249年
-
※合計特殊出生率=1.32 出生性比=105.3 平均寿命=男79.00 女85.81が今後一定と仮定
  出生数の推移
年度
 出生数
(万人)
合計特殊出生率 年度  出生数
(万人)
合計特殊出生率
昭和18 225 - 5 119 1.46
22 268 4.54 6 124 1.50
23 268 4.40

7

119 1.42
24 270 4.32 8 121 1.43
25 234 3.65 9 119 1.39
26 214 3.26 10 120 1.38
27 201 2.98 11 118 1.34
28 187 2.69 12 119 1.36
29 177 2.48 13 117 1.33
30 173 2.37 14 115 1.32
31 167 2.22 15 112 1.29
32 157 2.04 16 110 1.29
33 165 2.11 17 106 1.26
41(丙午) 136 1.58 18 109 1.32
平成元年 125 1.57 19 109 1.33
島村宜伸の主張・食糧自給率 「てんぷら蕎麦」
 
 「食」は人が生活をしていく上で、必要不可欠な要素です。わが国の食糧自給率は、カロリー計算でわずか39%(平成18年度概算)です。世界基準の穀物自給率では27%しかありません。不足分はすべて海外からの輸入にたよっているわけです。身近な例で「てんぷら蕎麦」を見てみましょう。
  てんぷら蕎麦の材料構成(H18年度概算値・農林水産省)
原料名 自給率 輸入相手国の上位と総輸入量に占めるシェア
1位 2位 3位 その他
海老 5% ベトナム 20% インドネシア 17% インド 12% 45%
小麦 13% 米国 49% カナダ 19% オーストラリア 18%  
そば 22% 中国 67% 米国 11%     4%
大豆 5% 米国 76% ブラジル 9% カナダ 7% 4%
菜種 0% カナダ 85% オーストラリア 15%      
13% メキシコ 43% オーストラリア

36%

インド 5% 3%
砂糖 34% オーストラリア 28% タイ 27% 南アフリカ 9% 3%
とうもろこし
(飼料)
0% 米国 97% 中国 2% アルゼンチン 1%  
  食料自給率推移表
平成 熱量自給率 (消費カロリーでの割合) 穀物自給率(重量での割合)
7 43% 30%
8 41% 29%
9 41% 28%
10 40% 27%
11 40% 27%
12 40% 28%
13 40% 28%
14 40% 28%
15 40% 27%
16 40% 28%
17 40% 28%
18 (概算) 39% 27%
27 目標45% 30%

島村宜伸の主張・国土小国・エネルギー少国 「エネルギー・資源自給率」
  エネルギー・資源少国(H18年度・国会図書館 経済産業課農林環境課)
資源名 自給率 輸入相手国の上位と総輸入量に占めるシェア
1位 2位 3位
木材 20.3% カナダ 14% オーストラリア 13% ロシア 11%
バンクーバー
7,900km 14日
ブリスベン
7,600km 13日
ナホトカ
1,700km
LNG 3.8% インドネシア 22% オーストラリア 20% マレーシア 19%
ボンタン
4,600km 7日
ビンツル
4,600km 7日
ビンズル
4,600km 7日
石炭 0.6% オーストラリア 58% インドネシア 18% 中国 12%
ニューキャッスル
8,000km 13日
ノースプラウラウト
4,600km 4日
秦皇島
2,300km 5日
石油 0.4% サウジアラビア 30% UAE 25% イラン 12%
ラス・タヌラ
12,400km 20日
ジュベルダンナ
12,000km 20日
カーグ島
12,500km 20日
鉄鉱石 0.0% オーストラリア 85% ブラジル 15% インド 7%
ポートヘッドランド
6,700km 12日
ツバロン
20,000km 45日
チェンナイ
8,400km 14日
※距離・日数は東京湾までの片道航路

島村宜伸の提言・「徳育・体育・知育」の人づくり
 
 日本人は敗戦の衝撃に周章狼狽し、民族何千年の歴史の中に堂々と培ってきた精神文化、伝統、民族の知恵も美徳もすべてなげうってしまった。教育基本法の改正を機に、幼児教育の段階から「徳育・体育・知育」の充実した青少年を育てることが日本再建の近道である。 「改正教育基本法」が成立したが、この改正は改革の第一歩に過ぎません。
 
原子力発電の推進を公約に出馬
 
 私は常々政治家の最も大切な役割の一つは、「将来的視野に立って、国家・社会の健康を守る医師であらねばならない」と考えています。それは、健全な国家社会を維持するためには国民に対して、阿ず(おもねず)に時には痛みを伴う治療や苦い薬の処方も敢えてしなければならないということで、初当選以来、今日までその姿勢を貫いてきました。例えば、私は初めての選挙に臨むに当たって、四大公約の一つに「原子力発電の推進」を前面に掲げて選挙を戦いました。昭和51年のことですが、当時は今よりも原子力に対するアレルギーが非常に強かった。そうした逆風の中、私はあえて、「日本の将来のために、どうしても原子力発電の推進が必要です」と訴えて歩きました。当時も太陽エネルギー、地熱、風力などの自然エネルギーの開発、普及が先決だという声がありましたが、残念ながらそれらではとても賄い切れないからです。
  私は14年間、日本石油に勤務しましたがその間、海外の事情を含めてそれなりの勉強をした結果、エネルギー問題は、これからの人類の歴史を左右するキーファクターになると確信を抱きました。
  現在でも「原子力エネルギーに人類の未来を託さざるを得ない」という考えは全く変わっておりませんが、初挑戦の選挙の際、原子力発電の推進が如何に必要かを訴える演説を終えて選挙事務所に戻ると、「あなたは、われわれを一生懸命働かせておいて、選挙に落ちるための演説をして歩くとは何ごとか」と後援会の幹部から何度も苦情を言われました。しかし、私は一歩も譲らず、初心を貫き通しました。国民に嫌われるとか、選挙に有利か不利かによって信念を曲げるようでは、政治家を志す資格がないと思ったからです。御高承の通り、当時数%に過ぎなかった原子力発電は今日では30%を超え、電力供給の主力になっています。
  消費税についても同様です。二度目の選挙は、消費税導入が選挙の最大の争点でした。その時にも、私は導入賛成の立場に立って積極的に街頭演説を行ないました。
「日本の国は、他の先進国と比較して直接税に対する依存度が高すぎます。景気変動のたびに税収が大きく左右されるのでは、将来に向かって財政運営上、大変危険です」と、直間比率の是正の必要性を訴えたわけです。

  当時から少子高齢化社会の到来は充分予測ができましたし、高齢化社会が到来すれば当然、年金、医療費など社会福祉の費用はどんどんかさみます。しかし、たまたま不景気で税収が減ったからといって、医療や介護の質を落とすわけにはいきません。少子高齢化が進み、労働人口が急速に減っていく中で、今の福祉政策はこのままでは持続していけなくなります。そこで、「税の安定収入を図るには、欧米の先進国同様消費税の導入が絶対必要です」と訴えて回ったわけです。私の選挙区である東京の下町は、中小零細企業が集中している地域で、消費税の話はタブーでした。そんなわけで、二度目の選挙は「公明党の竹入委員長とトップ争い」の新聞の予想と違い落選の憂き目を見ました。
  幸い次の選挙ですぐに返り咲くことができましたが、私は今でも「消費税落選」を名誉の負傷と思っています。
  因み(ちなみ)に、消費税の各国比較は別表の通りで、少子高齢化が急速に進むわが国が、介護を含む医療、年金等に万全を期するためには現行の5%で良いのかどうか真剣に考えるべき時が来ているということです。
 
 
小選挙区制度は政治を歪める
 
 平成になって「政治改革」が叫ばれたとき、多くの政治家、そして世論は、「改革」の美名に酔って小選挙区制導入に突っ走りました。私は「小選挙区制度は政治を歪める」と具体的に理由(1身分や財産、党組織の背景なしに自由に立候補がしにくい、2有権者が候補者を人間性、能力、年齢、性別等あらゆる角度で選べない、3諸改革に不向きである、4有能な新人も出にくくなる、5世襲は却って増える)を挙げて猛反対したため「守旧派の急先鋒」という汚名を着せられ、次の選挙では約4万票も減りました。新制度の弊害の大きさを指摘し、最後まで戦いましたが、力及ばず、平成8年の選挙から「小選挙区比例代表並立制」が導入されたわけです。
  しかし、第一位の票を獲得しなければならない現行の選挙制度は、政党も政治家も勝利を得るためにはどうしても大衆迎合主義に陥らざるを得ない。要するに有権者の目先の歓心を得る政策を取らざるを得ないわけで、どうしても守りの姿勢になってしまう。中選挙区のように、政治家に対する信頼と尊敬を土台に「自分が正しいと思うことを堂々と主張する」というわけにはいかなくなるからです。勢い、有権者に嫌われることは避け、選挙民受けすることばかり言うような政治に陥りやすくなる。ということは「税制改革」も「行政改革案」等も、国民の痛みを伴う思い切った政策は打ち出せず、人気取りに窮々と嫌な事は先送りとなる。事実そうなってきています。
  現在の制度があと10年も続いたら日本の国はおかしくなってしまうでしょう。
 
「教育改革」は喫緊の課題である
 
 さて「教育は国家百年の大計」と言われますが、私は文部大臣経験者として、健全な国づくりのために今こそ、教育改革を断行すべき時が来たと考えています。最近、青少年の学力や基礎的運動能力の低下が問題になっていますが、一方、少年犯罪や凶悪な犯罪があとを絶たず、屈強な若者がお年寄りを襲って金品を強奪したり、警察官、裁判官など本来、犯罪と最も縁遠いはずの職業人の不祥事も目立ちます。また教師のセクハラ行為や少女買春等、私達の常識では全く考えられない不祥事が続発しています。どうしてこういうことになってしまったのでしょうか。これは決して偶然の結果ではありません。
  それは、戦後の教育に根本原因があるのです。日本が戦争に敗れ、占領軍の統治下に置かれたとき、彼らの占領政策の基本は、日本が二度と再び、欧米列強を相手にする様な強国に立ち戻らぬように、かつて日本人を育てた教育のシステムを悉く(ことごとく)作り変えることにあり、学校教育からは修身が姿を消し、歴史教育なども大きく後退しました。その結果、日本の歴史・伝統・文化に誇りを持ち、愛国心に溢れ、道義を守り、武道に励む日本人が激減したわけです。占領政策、今“結実、開花”の思いを禁じ得ません。
  さらに戦後は占領軍の「日本弱体化政策」により、教育勅語は廃止され、代わりに与えられたのが、GHQ(連合国軍総司令部)が創案した俄か(にわか)づくりの「日本国憲法」と「教育基本法」でした。
また、戦後、労働運動が熾烈化し、学校の先生は聖職者でなく一労働者になり下がり、教職員組合はストライキを含む強力な労働争議を展開しました。
  当然、学校教育の現場も、日教組の歪んだ思想教育に蹂躙(じゅうりん)され、国旗も国歌も道徳も教えない偏向教育がまかり通ったわけです。
  こうした時代の流れは、戦前の教育で育ちながら敗戦によってすっかり自信を喪失していた父母や、学校を取り巻く地域社会を戸惑わせることになった。そして、従来正しいとされていた社会の規範はことごとく否定され、常識の振り子は大きく反対側へ振れてしまった。問題はその様な非常識がそのまま放置され今日までその影を引きずっていることです。
  その結果、家庭における親の、(特に父親)の権威が大きく後退し、さらにほとんどの家庭が戦後の生活苦から家族に食べさせる子に精一杯であったこともあって、親は子どもの躾(しつけ)をおろそかにしてしまいました。そのため、子どもたちは、「何をやっても許されるのだ」と錯覚し、自由と放縦を履き違える結果になりました。
  最近の学校現場では、「挨拶は強制するものではなく、子どもたちが自発的にするものだ」という姿勢の教師が少なくないと耳にします。運動会の入場行進や「回れ右」などの整列の練習すら批判するようですが、学童には押しつけてでも教え込まないと躾は身につきません。躾とは本来そういうものです。
  狂言師の野村萬斎氏は、「基本形、つまり“型”を徹底的に教え込むのが教育の基本である」と述べています。「型」が基本にあってこそ「型破り」の大きな飛躍も生まれるということなのです。
昔は親が子どもに対して、幼いうちからきちんとした躾をしました。ところが、近頃は「やって良いこと、悪いこと」さえわからない子どもたちが増えています。まさに「鉄は熱いうちに打て」であり、これは幼児教育の理に適っています。ゼロ歳児からの教育は非常に大切で、環境と躾で人間はどのようにでも変わるといわれます。人間性だって躾次第で変えられるということが研究結果にもはっきり出ているんです。
  近年、少子化の進行で、ことさら子どもが甘やかされるようになりました。加えて、長寿社会の到来により、若い祖父、祖母が増え、曾祖父母のいる家も稀ではなくなり、結局、皆で寄ってたかって数少ない子どもを甘やかしてします。そして、子どもがある年齢に達すると保育園、幼稚園、学校に預けますが、子どもの基本的な躾は本来、家庭でやるべきなのです。しかし、殆どの家庭は躾をやりません。いわば「デコボコの素焼きの人形」を預けておいて、「優しく立派に育ててほしい、但し、怪我をさせたら承知しませんよ」と言われても、戦後教育を受けて育った聖職者の意識のかけらも持たない先生たちにとっては所詮、無理難題としか思えないでしょう。やはり両者が互いに協力し合ってこそ教育の実が上がります。
  教育は家の建築に譬(たと)えれば、基礎工事であって、確かな基礎を築かなければ立派な家は建てられません。同様に幼児期にキチンと躾なければ、立派な人材は育ちません。
私は、文部大臣に就任した際、幹部職員への第一声で、「教育の場には家庭と学校と一般社会とがあるが、戦後は家庭、社会教育が大きく後退し、唯一残った学校も日教組の歪んだ教育のために必ずしも健全とは言いがたい。教育の場、また、教育内容は知育・徳育・体育に大別されるが、順序をつければまず第一に人間が人間らしく生きるための徳育。続いて、いかなる困難にも屈しない健全な心身を鍛える体育、そして三番目が知育であると敢えて順序をつけました。今でもその通りであるべきだと考えています」と訓示しました。
 
島村宜伸の提言・「呼び戻したい伝統的美風」
 
 社会を見回すと、少年犯罪や凶悪な犯罪があとを絶たない。セクハラ行為など教師の問題行動も激増しているし、警察官、裁判官など本来、犯罪と最も縁遠いはずの職業人の不祥事が目立つ。どうしてこういうことになってしまったのだろうか。
  私たち日本人は、世界で最も道義・道徳観の優れた民族であった筈である。このような失われてしまった日本人の伝統的美風を回復することこそ、私たちが将来に向かって果たさなければならない最大の課題である。これなくして経済の回復も、世界で名誉ある地位を占めることもありえない。
 
倫理・道徳は世界共通
 
 「子は親に孝行を尽くし、兄弟姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく、友人は胸襟を開いて信じ合い、すべての人々に愛の手をさしのべ、人格を磨き、社会公共のために貢献し、国の平和と安全に奉仕しなければならない」
  これほど簡潔明瞭に誰にでも分かりやすく、かつ、なんぴとにも素直に受け入れられる国民の倫理・道徳が述べられているものを私は知らない。
  これは、いまから百十一年前の明治二十三年に制定された「教育勅語」の一節である。私は暗雲に「教育勅語」の復活を提唱するわけではないが、先人たちがこの国や社会を築く過程で生み出した多くの智恵や美徳に目を背けるのではなくて、謙虚に学ぶことも大切であると主張したいのだ。
  さて、わが国は明治以来、遅れて近代化に着手したが、当時は欧米列強の殖民・帝国主義の嵐が吹き荒れ、国家存亡の危機に直面していた。そうした重圧に屈せず、あらゆる困難を乗り越え、今日の見事な発展を遂げることができたのは、当時は偶々大国が余り魅力を感じない極東の貧困な島国であったことと、武士道精神に根ざす優れた国民道徳を掲げた国家理念が国民の中に深く浸透していたことの賜物であることを忘れてはならない。改めて申すまでも無く、わが国が寄って立つ原点は、まず、世界の六十番目以下の狭い島国であり、然も約七割が急峻な山に占められている国土と資源も殆どゼロに近い言わば国土小国資源少国なのである。
  我々の祖先は、このハンデキャップを克服して、世界の競争に打ち勝つためにひたすら“質実剛健”を旨とし“教育立国”を国是として国造りに邁進した。
  第二次大戦で欧米列強との戦いに敗れ、焦土と化した国土の上に立ち上がった日本が、昭和四十二年にGDP(国内総生産)で英仏独を一気に追い抜き、昭和六十二年には一人当りのGDPで米国をも抜き、世界のトップに躍り出たのは、一に掛かって優れた国民性に磨きをかけた家庭、学校、社会各分野における教育の成果であったと言っても過言ではない。
 
教育立国は国是である
 
戦後、占領軍の日本弱体化政策により、教育勅語は廃止され、代わりに与えられたのが俄か作りの「日本国憲法」と「教育基本法」であった。
  「旧教育基本法」の問題点は、まず第一に、わが国の歴史と伝統を根底から打ち崩し、日本人を骨抜きにすることを意図して創案されたことは明らかなことである。第二に「人格の完成」「機会均等」「男女共学」等世界共通の教育理念をうたっているが、にほんじんとしてのありようには触れていない。「人類」「平和」「自由」「民主主義」はあっても「国家」「民族」「歴史」「文化」「家庭」がないのである。これでは日本の子どもたちが自国の歴史や文化に誇りを持つ“日本人”に育ちにくい。
  日本の教育を歪めた今ひとつの背景は、敗戦の衝撃と戦後の貧困に打ちのめされて、日本人の多くは過去を全部擲(なげう)つことで日本の新しい出発を目指す傾向が強かった。その結果、家庭、社会教育が大きく後退し、学校教育はと言えば、日教組の歪んだ思想教育に蹂躙され、国旗も国家も道徳も教えない“偏向教育”がまかり通った。
  一方、人間教育の基礎となる躾を受け持つ家庭では戦後の反動で父親の地位が大きく後退し、“自由”と“放任”の履き違えの中に、折からの少子化も手伝って全てに自分本位で礼儀を弁(わきま)えない“膨らみすぎた風船”のような子どもどんどん育っている。わが国の将来のためにまことに憂慮すべきことである。念のために文部省調査に基づく表を御覧頂きたい。
 
 
内容   1位 2位 3位 4位 5位
きちんと挨拶をしなさい。   アメリカ イギリス 韓国 ドイツ 日本

38
40
30
35
24
28
15
17
9
14
先生の言うことをよく聞く。   アメリカ イギリス 韓国 ドイツ 日本

56
62
53
58
47
56
30
34
16
29
友達と仲良くしなさい。   アメリカ イギリス ドイツ 韓国 日本

54
60
33
44
32
41
33
37
7
10
弱い者いじめはいけません。   イギリス アメリカ 韓国 ドイツ 日本

34
36
32
35
20
22
13
18
9
11
他人に迷惑をかけない。   イギリス アメリカ 韓国 ドイツ 日本

44
48
33
37
32
34
21
27
16
25
嘘をつくのは悪いことです。   アメリカ イギリス 韓国 ドイツ 日本

47
50
44
49
41
42
28
32
11
16
物を大切にしなさい。   イギリス アメリカ 韓国 ドイツ 日本

51
63
47
53
37
48
34
41
24
31
 
日本は今や躾最低国に陥ろうとしているのだ。その結果の所産として総務庁調査(抜粋)表のごとく「国のために役に立ちたい」「どんなことをしても親を養う」等の数字に教育の結果が如実に表れている。
  文部省生涯学習局『子供の体験活動等に関する国際比較調査』(抜粋)
「あなたは両親から次のようなことをよく言われますか?」(単位=%)
内容 1位 2位 3位 4位 5位
自国との関係
「自国の国を誇りに思っている」
アメリカ スウェーデン 韓国 日 本 ドイツ
90.7 85.1 79.6 72.6 49.7
自国への貢献
「国の為に役立つことをしたい」
韓国 スウェーデン アメリカ 日 本 ドイツ
73.3 69.6 63.1 50.0 29.5
社会への満足度
「社会に満足している」
アメリカ スウェーデン 韓国 日 本 ドイツ
76.5 75.3 39.2 35.5 32.6
政治に対する関心度
「政治に関心がある」
アメリカ 韓国 日 本 ドイツ スウェーデン
69.2 53.3 46.7 45.4 43.6
老いた親の扶養
「どんなことをしてでも親を養う」
アメリカ 韓国 日 本 ドイツ スウェーデン
73.1 39.4 25.2 21.9 6.2
ボランティア活動
「ボランティア活動をしたことがある」
アメリカ 韓国 スウェーデン 日 本 ドイツ
61.4 47.6 43.4 35.0 22.6
自然環境への関心度
「環境を守る為に税金が高くなっても仕方ない」
スウェーデン アメリカ 韓国 日 本 ドイツ
54.7 50.2 48.2 33.3 28.2
総務庁青少年対策本部『第7回世界青年意識調査』 (抜粋)(単位=%)
 
なによりもまず躾
 
 学校現場では「挨拶は強制するものではない、子どもたちが自発的にするもの」こういう姿勢の教師が少なくないと言う。運動会の入場行進や「回れ右」などの整列の練習も批判されるらしい。
  これは全く間違っている。学童には押し付けてでも躾は教えないと身に付かない。躾とは本来そう言うものだ。
  狂言師の野村萬斎さんが「基本形、つまり“型”を徹底的に教え込むのが教育の基本だ」とのべている。「型」が基本にあってこそ「型破り」の大きな飛躍もあると言うことなのである。「教育」は家の建築に例えれば基礎工事に等しい。確かな基礎を持たずして立派な家は建たない。同様に人も育たない。国家も発展しない。私の文部大臣としての第一声は「家庭、社会教育の復活とまず、徳育そして体育その次に知育を位置付ける方が立派な人間が育つ」であった。今もその信念は全く変わらない。
  教育改革こそまさに喫緊の課題である。今こそ伝統と文化の香り高い日本的美風と道義・徳育を呼び戻す「教育改革に勇断をもって臨むべきである。その成否がわが国の将来を決定づけると敢えて断言して私の提言を終わりたい。
 
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